NO.963 クリントン訪日は日米同盟恒久化が狙い。
中川昭一財務・金融相が「酩酊(めいてい)」会見問題で辞任に追い込まれるという政権の一大事で、クリントン米国務長官の来日がかすんでいるが・・・、今日はその話。
「オバマ新政権の外交は日本を飛び越し、中国重視へと傾くのではないか」・・・そんな観測が流れていた。
そんな中で、17日クリントン米国務長官が外遊で一番先に訪日し、麻生総理や中曽根弘文外相、浜田靖一防衛相、小沢民主党代表らと精力的に会談した。24日には麻生総理をホワイトハウスに招待し、オバマ大統領始めての首脳会談を日米でやるという「おまけ」つきだ。
なぜ、いの一番に訪日か
世界で先ずはじめに日本に来て、日米同盟強化に一生懸命なのはのはなぜか?
それは、長年の日米同盟のパートナーである自民党が崩壊しても、米国の国益のために日本を縛り付けておくためではないだろうか。
実際目の前で、中川昭一財務・金融相が「酩酊(めいてい)」会見問題で辞任に追い込まれ、盟主・自民党の崩壊現象は急速に進んでいるのだ。
オバマ新政権のクリントン氏は、就任前から軍事力だけでなく外交を重視するとした「スマートパワー」を強調し、ブッシュ前政権の軍事中心路線との違いを打ち出していたが、今回の訪日は、歴代米政権と何ら変わりないどころか、ブッシュ政権時代に異常に強化された日米同盟の維持と、さらに強化を図るものだ。
会談で確認されたことは、
★在沖縄米海兵隊のグアム「移転」と新基地建設に法的拘束力を持たせるための協定の締結、
★在日米軍再編を合意通りに進める
★日本への「核抑止」を維持する
★アフガン支援、インド洋やソマリア沖への自衛隊派兵を促す・・・、等だった。
自民がダメなら民主
野党である民主党の小沢代表との会談を申し入れたのも、政権の先行きをにらんでのことだ。
会談でクリントン氏が「来年は日米安保50周年を迎える。これからの50年も日米同盟を更に強固にするために協力しよう」と呼びかけた。
それに対し、小沢氏は、「その話には全面的に賛成する。・・・米国で私の言動に誤解があるようだが、私は日米同盟が大事であることを、ずっと以前から、最初から唱えてきた」と強調し、「国務長官と継続して話ができるよう、選挙で勝つ」と述べ、「政権交代」への強い意欲を披露して見せた。
「今年の総選挙で勝利しても、民主党は(党内が)深刻な分裂状態にある。同党の政権は早晩、崩壊する。安定が戻るまで数カ月、いや数年かかる」・・・米国の対日政策を担当してきたマイケル・グリーン氏の指摘だ。自民がダメなら民主・・・、民主も危ういが、とにかく手を打っておこうというのである。
日米同盟恒久化が狙い
1996年の「日米安保共同宣言」以来、日米同盟は大きく変質した。
それは、「日本を守るため」どころか、アジア太平洋地域へ、そして地球規模へと拡大し、米軍と自衛隊の軍事一体化が一気に進んだ。これとは裏腹に自民党政治の基盤は弱くなり、日米同盟の政治的基盤の弱体化が進んでいる。
最近、日米の外交当局者が「来年は日米(新)安保条約五十周年」と繰り返し、新たな安保共同宣言の策定を目指しているのも、日本の政治状況がどうあれ、日米同盟を安定的に管理し、恒久化しようという意図を示したものと言えるだろう。
オバマも変わらない
オバマ米大統領は17日、「アフガンの安定」のためとして、アフガニスタンへの約1万7000人の増派を命令した。海兵隊8000人、陸軍4000人、補給部隊5000人。オバマ政権として初の増派命令だ。現在の駐留は3万6000人。オバマ政権は今年から来年にかけて、約3万人の増派を検討しているという。
“テロリスト集団の一掃”を掲げたアフガン戦争・・・。しかし、治安は悪化する一方で、米軍の攻撃はパキスタン領内にも“侵食”。米軍を中心とする多国籍軍の攻撃による民間人死傷者が増加し、逆に反米感情が高まるなど戦争は泥沼化している。
そんな中、オバマ氏は、「軍事的手段だけでは、アフガン問題を解決できない」としつつも、「アフガンではまだ勝てる。(国際テロ組織)アルカイダを阻止することはできる」と強調している。
アフガンへの更なる支援要求は必至
24日に呼ばれてアメリカ詣でする麻生総理。政権浮上へ日米外交利用というところで、いそいそと出かけるだろうが、土産は見えている。アメリカにくっついていく政治じゃ、「カネ出せ!」「自衛隊出せ!」と言われるばかりだ。
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
いつもありがとうございます。
ランキングー

↓ ↓


- 関連記事
-
- NO.1085 歴史に禍根を残す4月14日。 (2009/04/15)
- NO.1080 これでも独立国か!グアム「移転」協定採決強行。 (2009/04/12)
- NO.1078 米軍グアム「移転」協定 採決を糾弾する! (2009/04/11)
- NO.1061 「伊達判決」50周年と「対等な日米関係」 (2009/03/30)
- NO.963 クリントン訪日は日米同盟恒久化が狙い。 (2009/02/19)
- NO.705 田母神問題、二人の元自衛官の反応。 (2008/11/16)
- NO.701 自衛隊内で違憲教育・・・政治の責任を問う。 (2008/11/14)
- NO.682 制服組の暴走(言論によるクーデター)は、政府の任命と監督責任。 (2008/11/03)
- NO.640 「党利党略で成立を急ぐような軽い法案ではないはずだ。」 (2008/10/12)
テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済
2009.02.19 | | Comments(0) | Trackback(2) | ・米軍・自衛隊・安保Ⅰ
