NO.982 小泉「構造改革」の痛み・・・。
「改革なくして成長なし」「改革には痛みが伴う」・・・こう叫びながら、小泉「構造改革」は国民に痛みを押しつけてきましたが、改革の後、痛みはとれ、国民の暮らしはよくなったでしょうか。
ここでは、小泉「構造改革」の結果を、国民の暮らしの基本に関わる雇用と社会保障の面について、大まかにみてみたいと思います。
小泉「構造改革」の柱は、「規制緩和」と「小さな政府」でした。
その狙いはもちろん大企業の「自由」・・・新たな儲けの機会を提供することにありました。
徹底した「規制緩和」が行われた雇用の分野では、派遣労働などの非正規労働者者を安い賃金で自由に使うことができるようになり、大企業は莫大な儲けをあげることになります。しかし、賃金が上がらないので、国内消費は低迷し、大企業は市場を海外に求めることになります。
こうして、極端な外需依存、輸出頼みの経済が作られてきました。
戦後最長といわれた景気拡大も、国民には実感のない「かげろう景気」(与謝野財務相)といわれたのもそのためです。
下の図のように、この間、大企業は経常利益を増やし、株主配当や内部留保を増やしてきましたが、働く人たちの給料は減らしてきたのです。年収200万円以下のワーキングプアは、労働者の5人に一人1000万人以上になり、大変な問題になっています。
小泉「構造改革」のもうひとつの柱、「小さな政府」は、容赦なく社会保障を削減してきました。社会保障費2200億円削減路線は、7年間で実に1兆6200億円にのぼります。この社会保障費カットは、下表のように、医療、年金、介護、生活保護、障害者、雇用保険・・・と、あらゆる分野にわたりました。
大企業が暴利をむさぼる中、国民は給料は減るわ、社会保障は削られ負担は増えるわ・・・。これが、小泉「構造改革」の真の姿でした。
いままたもや、小泉氏や竹中氏、それに連なる中川秀直氏らのメディア露出が目立ってきており、「構造改革」の免罪、復権か?と心配されることが起きています。
今こそ、「構造改革」路線をきっぱりと改めて、雇用を守り、社会保障を充実させ、経済の中心を国内経済・家計に移すことが求められているのではないでしょうか。
次回からは、「構造改革」路線の結末を、雇用、社会保障、税などについて各論でもう少し、詳しく見てみたいと思います。
関連ログ:(1) N.978 憲法25条体制空洞化戦略としての新自由主義。
(2) NO.982 小泉「構造改革」の痛み・・・。
(3) NO.983 小泉「構造改革」の結末 ①雇用のルール破壊。
(4) NO.986 小泉「構造改革」の結末 ②社会保障の連続改悪。
(5) NO.989 小泉「構造改革」の結末 ③国民負担増と大企業減税。
(6) NO.991 小泉「構造改革」の結末④ 「三位一体改革」と地方の切捨て
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2009.02.27 | | Comments(0) | Trackback(4) | ・2009総選挙Ⅰ
